利用時の品質(その6:コンテキストカバレッジ)

コンテキストカバレッジ(公式には「利用状況網羅性」となっているようです)とは、利用者のさまざまな背景や状況に対応してシステムがその目的や目標を達成できる度合を指します。


定義はこうなっています。


「定められた利用状況や、想定外の状況で有効性、効率性、安全性、満足性をもって利用できる度合。」


ここでは、利用時品質を構成する他の特性すべて(有効性・効率性・安全性(これは「リスク回避性」に読み替えるのがいいですね)・満足性)を包含していることに着目してください。

コンテキストカバレッジの土台の上に、これらの特性がすべて載っている、というのが利用時品質の全体像イメージになります。


コンテキストカバレッジには2つの副特性が存在します。

・状況適合性:要求で定められた利用状況下で有効性、効率性、安全性、満足性など利用される度合

・柔軟性  :要求で定められた利用状況以外で有効性、効率性、安全性、満足性など利用される度合


状況適合性は「要求(想定)した利用状況下」を、柔軟性は「要求(想定)した利用状況以外」を対象としていて、それぞれ異なる領域を見守る副特性であることがわかります。

状況適合性は、要求(想定)した利用状況(領域)をどこまでカバーするのかを示すもの。

柔軟性は、要求(想定)した利用状況(領域を超えて、さらにどこまでの利用状況をカバーするのかを示すもの。


一見「状況適合性はフルカバー」で「柔軟性も高いカバー率」が理想のようにも思えますが、薄く広くをカバーする=あれもこれもそれなりに機能を搭載して、何が特徴なのかがわからないシステム/ソフトウェアになる可能性もあり、注意が必要です。

この場合、構築・維持コストが高く、利益は小さいシステム/ソフトウェアになる可能性もありますよね。

何でもできる=何もできないのと同じ、なんてことにならないようにしたいものです。(爆)


さて、残りは満足性と総括です。